この春、これまでとは変わる!自分らしく装うための最旬2大ポイント

仕事や恋愛、結婚についての思い。日頃はそんな、見えない部分での「自分らしさ」を追求しているtelling,。でも、自分の内面を表現できて、ときには演じることさえできるのは、装い。自分らしさの中に、新鮮な「今っぽさ」をあしらえば、魅せ方の幅はさらに広がります。そのためのエッセンスを、パリ、ミラノ、ニューヨークと、ファッションの世界を20年以上にわたり取材している朝日新聞ファッション担当編集委員・高橋牧子がお伝えします。

●ファッションジャーナリスト高橋牧子のミレニアルのためのトレンド通信

明るく、華やかに。大きく変わるこの春のトレンド

この春、ファッションのトレンドが久しぶりに大きく変わりそう。これまでのカジュアルなニットや超ビッグサイズといったストリート感覚のスタイルから一転、女性っぽいラインのワンピースやテーラードスーツなどエレガントな装いに移りそうなのだ。

とはいっても、シンプルなデザインだけにメリハリがつけにくく、服をただ着るだけだと無難になりがち。それを今っぽく見せるのが、存在感のある大きなアクセサリーだ。これまでにないほど面積が大きいイヤリングやネックレス、極太のバングルを何連も重ねづけしてみるといい。
パリやミラノのデザイナーコレクションでも、アクセサリーのデザインやアイテム数を大幅に増やしたブランドが多かった。アクセサリーなら手軽に今シーズンらしい雰囲気を取り入れられそう。

大胆なほどの大ぶりアクセサリーが続々

たとえば、「シャネル」は定番のカラフルなツイードのスーツに、さまざまな幅広のバングルを重ねて若々しく見せた。モチーフはブランドのアイコンであるCCマークやツバキの花、パールなど。ブランドロゴの人気はまだまだ衰えないようで、耳にはCHANELの文字のビッグイヤリングが揺れていた。

極太ブレスレットやバングルを、さらに重ねづけ(シャネル)

「ミュウミュウ」のアクセサリーはさらに大きくて凝っている。バラのコサージュと滝のように流れるアンティーク調のネックレスの組み合わせや、耳をすっぽりおおうほどのイヤリングなど。いずれもヴィンテージ風のデザインだが、立体的な曲線がユニークでどこかモダンなイメージも漂う。

面積に加えて立体的なボリューム感で存在感大(ミュウミュウ)

「女性たちの自由」をテーマにした「ヴァレンティノ」は、太いリング状のイヤリングでパワフルかつエレガントに演出していた。今シーズンのアクセサリーは、大きくても中を空洞にするなどで、軽く機能的なデザインが増えている。

(ヴァレンティノ)

春夏でもブーツ!素肌を見せて軽やかに

もうひとつのポイントは靴。エレガンスの流れから、スポーティーなスニーカーはやや後退気味に。とはいえ、服のデザインがオーソドックスなため、これまでと同様に足元にボリュームを持たせたバランスでないと古くさくみえる。そこで脚光を浴びているのがショートブーツ。春夏でもブーツがトレンドなのだ。

足元はスニーカーからショートブーツに(ルイ・ヴィトン)

ここ数シーズン、厚底のハイテクスニーカーが人気だった「ルイ・ヴィトン」も、今季はショートブーツをずらりと登場させて話題になっている。未来的な感覚のパンツスタイルにも、優雅なドレスにも、つま先のとがったブーツを合わせている。

「セリーヌ」はウェスタンブーツ、「ロエベ」や「エルメス」はつま先部分をサンダルのように開けたショートブーツをさまざまなスタイルにはかせていた。

リサイクルやシェア、エコロジーといったサステナブル(持続可能)な言葉が注目されている。手持ちの服にちょっとした小物を取り入れて自分で雰囲気を変えてみる、そんな感覚が今っぽいおしゃれなのかもしれない。

  • ●高橋牧子(たかはし・まきこ)プロフィール
    ファッションジャーナリスト、朝日新聞・ファッション担当編集委員。繊研新聞社を経て2007年、朝日新聞社に入社。パリやミラノ、東京などのデザイナーコレクションや世界のファッションビジネス、街の流行などを取材・執筆している。