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【輝く女性の未来のかたち #34】自然美を生かすモノづくりで 未来のアンティークを提案 |「moil」デザイナー 石上 理彩子

ちょっといびつで不揃いの天然石やパールも、その自然な美しさを生かし、ミニマムで温かみのあるジュエリーに仕立てる、そんな作風で人気の「moil(モイル)」。デザイナーの石上理彩子さんは、実は最初はファッションデザイナー志望だったそう。モノづくりへの興味は幼少期から。

「INFINITY MIRRORS」をテーマにした2020SSコレクションより。凹と凸でセットになったリングの凹のほう(上)と独特なカッティングを施したアメジストのピアス(下)。

「静岡の自然豊かな土地で育ちました。何もない環境で、遊び道具も自作するしかなくて。夜は満天の星を眺めては空想にふけっていましたね」

美大でファッション造形を学んだのち、パリの有名校でオートクチュールの技術を習得。帰国後はアパレル会社でテキスタイルデザイナーとして刺激的な日々を過ごすも、美大時代の恩師から「助手を務めてほしい」との依頼を受け、これもご縁と転職。4年の任期を終える前、さて次の進路はと考えた末、出した答えが現在の道だった。

アトリエの一角にある工具コーナー。

「長く愛されるものを作りたいという思いを温めていたのですが、当時はファストファッションの全盛期。私が目指すモノづくりはファッションでは需要がないかもしれないけれど、ジュエリーでなら実現できるのでは、と」

ジュエリー製作を一から学び、2017年よりmoilを本格始動。モダンでありながら、未来のアンティークにもなり得る作品づくりに取り組む。

「自分の体形に合わせてお直しをしながらずっと着続けるオートクチュールのように、ジュエリーも末永く身につけるものであってほしい。たまにお客さまから修理の依頼があると、うれしくなります。サステナブルが重視される時代、職人のこだわりの技の価値が理解され、大切にされる流れが、プレタポルテの世界にも生まれるとよいなと願っています」

  • ●いしがみりさこさんのプロフィール
    1986年生まれ。静岡県出身。女子美術大学芸術学部ファッション造形学科を首席で卒業後、渡仏。パリではシャネルツイードの生みの親「マリア・ケント」でのインターンも経験。ブランド名は実家が営む「鮪の御宿 石上」と自身の名の一部から取っている。

二つのリングが連なった定番アイテム。
愛用している真鍮のリングゲージ。

※この記事は株式会社ルミネと「AERA」のタイアップ連載「輝く女性の未来のかたち」を再編集したものです

Text: Kaori Shimura Photograph: Ittetsu Matsuoka Illustration: super-KIKI Design: Satoko Miyakoshi Edit: Sayuri Kobayashi