ヒミツの台湾さんぽ05 フリーペーパー

ヒミツの台湾さんぽ ―フリーペーパー#05―

 台湾の街を歩いていると、ふとしたところに心ときめくかわいいがあふれています。 見ていると台湾の人の暮らしをどことなく感じられる気がして、なんだかうれしくなっちゃうようなすてきな景色たち。何気ない街角にこそそんな“胸キュン”が散りばめられていて、それはまさに宝探しのようです。  この「ヒミツの台湾さんぽ」では、そんな街歩きのちょっとした楽しみをお伝えできればと思います!

●ヒミツの台湾さんぽ 05

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無料の宝物

 フリーペーパー。そのオモシロ情報と個性に満ちた無料の紙々は、ときに一目惚れレベルの素敵さを供えています。オシャレなカフェや雑貨店には、同じくセンスのよいフリーペーパーが集まっていて、商品を見るのと同じくらいテンションが上がる! これは日本だけでなく台湾でもしかり。台湾の雑貨屋さんやカフェ、さらには個人書店でもフリペチェックが欠かせません!

 たとえば、洗練された茶館の廊下にフリペ。

 ケーキショップの棚にも、さりげなくフリペ。

 このほか店の入り口にもよく置いてあります。これフリペかな? と迷ったら、「這個,可以拿走嗎?」(ヂェイガ、カーイーナーゾウマ?:これ、持って行っていいですか?という意味……のハズ。適当中国語ですがいつも通じます)と一言声をかければ安心。

 こ〜んなにカワイイ紙ものがタダなんてッッ!!! 贅沢すぎる……。台湾の紙ものってデザインがとっても自由で。内容がよくわからなくても楽しいです。

フリペ一期一会

 フリーペーパーは入れ替えがわりと激しいので、一度あったからといって、次に行ったときもあるとは限りません。なので、惚れたら即ゲット! 地方に行けば、その場所にしかないフリペたちが旅の記念にもなります。

 これは台湾西部の都市、彰化(ザンホァ)のホステルでもらったもの。新聞サイズのこのペーパーは地元の超オシャレカフェが企画編集したもので、イベント・アート情報のほか、おすすめカフェマップが載っている回もありデザイン性だけでなく内容もとても充実していました。

 同じく彰化のアート情報小冊子。中身は真面目ですが、右上の大仏のゆる〜いイラストがツボ。いいよ、大仏、いい感じ! イラストのモチーフは彰化名物「八卦山大佛」(バーグァシャンダーフォー)。夕方になると額の白毫(びゃくごう)が赤く光る、渋い巨大大仏です。

 山上から街を見守る大仏さん。ここからの景色も◎。

 こだわっている自治体は、観光地図もかわいかったりします。地図はホテルかトラベルインフォメーションセンターで探すのが吉。

 地方都市、新竹(シンジュー)のオシャレカフェで見つけたもの。

 色、デザイン、フォント、すべてにトキメキを覚えた一枚! 四つ折りになっていて、裏には地元の古くからある名産品がズラリと紹介されています。

 裏面。わかりやすくてカワユイ。魔除けの石鹸とか、ガイドブックには載ってなかった興味深いモノ情報ぎっしりでした。

個人的、激萌えフリペ三選!

 さて、勝手ながらここからは台湾に行ったら必ず探す、超個人的激萌えフリーペーパー三つを紹介させてください! 

 まずひとつ目。

 言わずと知れた台湾を代表する書店、誠品書店が発行するフリーペーパー。書店が出しているだけあってか分厚くて、内容が濃い。紙質がやわらかく軽いので、持ち帰りが苦になりません。

 毎回違った特集が組まれていて、この回は手塚治虫の漫画について取り上げているページも。

 内容を読み込む語学力と気力がないのでアレなのですが、ページのデザインがとにかくカッコイイし、勉強になります。誠品書店の出入り口やレジ回りに置いてあります。

 ふたつ目は、コチラ。

 春聯(チュンリエン)タイプです。春聯とは台湾や中国の旧正月に向けて貼る、縁起のよい言葉が書かれた赤い紙。玄関や壁に貼られているのをよく目にします。

 旧正月が近づくと街では春聯が売り出されておめでたいムードが漂いますが、それはフリペ界も同じ! なんの字? なんの内容? わからなかったとしてもこの圧倒的おめでたビジュアルを前にしたら、手に取らずにはいられません!

 旧正月は旧暦にもとづいているので毎年日にちが違います。来年2019年は西暦の2月5日だそうなので、その前に行くと春聯タイプに出会えるかも!? とは言え、おおらかな台湾。往々にして旧正月後もそのまま放置されていることも……。それはそれでアリ。

 そしてラスト、みっつ目。

 新聞の求人欄です!!! この見事なレイアウト、バランスのよい色使い、自由極まりないフォント……すべてがすばらしい。もう大好き。かっこいい。素敵。なんて技術! 早く額に入れて飾りたい。

 よ〜く見ると内容も興味深くて厨房のパートからシェフ、遅番で餃子を包む仕事、ウエイター、皿洗い、麺をゆでる熟練さん、運転手、チャーハン作りの職人、家電の技術職、力仕事、店のパートナーまで、あらゆる職の募集が。

 この力強さ! たまりません。ただこの求人欄、どの新聞にもあるわけではなくて、どちらかと言えばスポーツ新聞っぽい感じの新聞でよく見る気がします。毎回帰りの飛行機で、台湾の新聞をもらうのが楽しみで。きれいに持ち帰りたいのでクリアファイルは必携です。

 余談ですが、持ち帰ったフリペでボードを作ったりしても楽しいです。

 段ボールにフリペを貼ってクリップつけただけのものですが、意外に活躍中。ということで、今回は台湾のフリーペーパーについてでした! 謝謝!

◆今回のさんぽMap

編集者。台湾に心奪われ隙あらば旅に、あげく勤めていた出版社を辞めて台北に語学留学。台湾や植物関連の書籍制作に携わる。ラブ台湾、ラブ植物!
ヒミツの台湾散歩