花屋さん、今日はどのお花がおすすめですか09

花屋さん、今日はどのお花がおすすめですか09【スズラン】

そこにあるだけで、癒しをくれる花。贈りものとしての役割が大きくて、ついつい“特別なもの”と思ってしまいがちですが、たった一輪、暮らしの中に飾るだけでいつもの空間がやさしくなる気がします。花のある“ちょっと幸せ”な日々。そんなフラワーライフを送るべく、花好き女子が旬の花を買っては紹介していくコーナーです! 基本的に毎回の予算は1,000円くらい。ハッピーフラワーライフへの道はいかに。

●花屋さん、今日はどのお花がおすすめですか。09

幸せになる花

ときは5月。春らしく心地よいこの時季に愛でたい花は山ほどあります。選択肢がありすぎてかえって迷う! ということで、鎌倉を拠点に教室、生け込み、イベントやメディアでの花生けなどさまざまに活躍するフラワーアーティストのCHAJINさんにオススメのお花を聞いてきました。

「5月っていろんなお花があって、バラとかも春バラの最盛期だったり、梅雨を前にしてアジサイも出始めたり、新緑なので白とかグリーンの枝や花もきれいだったり……」とおっしゃるのはCHAJINさん。そうなんです。もう花いっぱいで、花屋さんでも目移りしてなかなか決められません! 

そんななか、5月1日に「スズランの日」というものがあると教えていただきました。なんでも「この日に大切な人に花を贈ると、贈った人も贈られた人も幸せになる」ということらしいんです!!! ステキ……。

(c)CHAJIN
(c)CHAJIN

スズランの飾り方については「1本、2本で飾るのもいいし、たくさんで飾るのもかわいいですよ〜」とのこと。

CHAJINさんによれば、スズランって1本の花に2〜3枚の葉っぱがついて、下のところに薄い皮があって、それでつながっているそうなんです。花屋さんによっては根付きで売っていることもあって、そのままクリアな器に入れて根ごと楽しむのもオシャレ。「少ない本数でもそれなりの香りがしたりとか、スズラン感は十分堪能できますよ」。

(c)CHAJIN

ゴールデンウィーク明けのこの時期にはスズランの出荷も増えて値段がカジュアルになっているそうなので、そうなったら量をたくさん買ってみてワサッと活けてみるのも手。

「さっき言った薄皮の部分を軽く取り除くと葉っぱと花が分かれるので、たとえば葉っぱは葉っぱ、花は花でバサッて入れてみるのもいいです。一輪一輪の花がちょっとヒュンヒュンと多少の空間を持っているのが従来のスズランの姿ですが、葉っぱと分けると花同士が寄せ合う感じになって、幸せがさらに固まりになるっていうか……」ということですが、もう見るだけでハッピー感満載!!

(c)CHAJIN

「でも、買って来てすぐに無理して分けなくても、その時々の花の状況に合わせて楽しんであげたらいいと思います。たとえばスズランだけの姿に飽きてきたら、同時期に出回るライラックとかもこうして少し入れて、ちょっと花束フィーリングにするとか」。ふむふむ、なるほど〜! ライラックの上品な淡い紫が、スズランの白をますます優しく際立ててくれている気がします。香りも奥行きが出ていいことづくめ!

「ライラックは枝ものなので、先に器に入れておいて、その枝のところにスズランを活け足していくと活けやすいですよ」というアドバイスも。さすがです〜。

幸せを届けてくれるスズラン。この時季、ぜひ飾ってみたい花になりました。
CHAJINさんありがとうございました!!

さて、次はなんの花を家に連れて帰ろう?
やっぱ花っていいな。

●今回お訪ねしたフラワーアーティストさん

CHAJIN(福田たかゆき)さん
フラワーアーティスト。暮らしまわりの雑貨と季節の花を合わせ、個性的でありながらもカジュアルな花あしらい、存在感あるリースの作品が得意技。雑誌や広告の花生け、展示会の花生けの他、鎌倉のアトリエや都内各所で開催中の花教室も人気。著書に『きょうの花活け』(誠文堂新光社刊)など。紅茶好きでプロレス好きで愛猫家。鎌倉在住。Instagramのアカウントは @chajin_eye

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編集者。台湾に心奪われ隙あらば旅に、あげく勤めていた出版社を辞めて台北に語学留学。台湾や植物関連の書籍制作に携わる。ラブ台湾、ラブ植物!