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知念美加子の「MY LIFE, MY CLOSET」07

沖縄で「スタイリスト」として生きていく方法とは?

女性誌「ViVi」などで活躍中のスタイリスト知念美加子さんにとって、ファッションは「自分自身を高めてくれる日常」。その日、見た・感じた・聞いたことから感じたインスピレーションをファッションに反映するそうです。知念さんのファッションのルーツを知るべく、頭の中をのぞいてみました。

●MY LIFE, MY CLOSET 07ファッション×縛られずに働く

いつかは沖縄で仕事をする、それは漠然とした「夢」

私は現在、東京を拠点に、月に1週間〜10日ほど故郷である沖縄でも仕事をしながら、遠距離婚の旦那さんと一緒に生活しています。

いつか沖縄で仕事をする。それは、スタイリストアシスタントとして上京する時から決めていたことでした。ただ、漠然とした夢のようなもので、具体的にどんな風に、なんの仕事で、というイメージは当時はわいていなかった。ファッション業界を志し上京してきたわけだから、トレンドの発信地である東京にいることが何においても便利なことはわかっていたし、目の前の仕事にはもちろんガムシャラに食らいついていました。それでも、「いつかは地元沖縄に」と端々で公言、当時の師匠からすると「いかに知念の頭を沖縄(地元)から引きはがすか」は悩みの種だったと思います。休みをもらう度に、沖縄へ帰ろうとしていたので(笑)。

「いつまで東京にいるつもり?」

スタイリストとして独立し、仕事のペースもつかめてきた20代後半。何気なく東京での新しい家への引っ越し準備を進めていると、結婚を控えていた沖縄在住の彼が「いつまで東京にいるつもり?」と一言。本当だ、私、無意識に東京に住み続けようとしてた……。とっさに「沖縄にも住むし、仕事もするから」と宣言してしまい、そこから本格的に、沖縄で仕事をしていく方法について考えるようになりました。

東京から沖縄へ。スタイリストの仕事をシフト

撮影やファッションショーのスタイリングなどの依頼を頂き、少しずつ沖縄でも仕事が入るようになりました。が、それは思っていた以上にきついものでした。たくさんの衣装を東京から沖縄へ持って行く労力や、交通費など予算面が厳しいこともあり、そこで気づいたんです。「東京の延長」ではもたないと。東京の仕事と同じことをただしているだけではダメなんじゃないかって。

東京じゃなくてもできることを考えた

そこで、「ファッション」を軸に、東京じゃない場所でできることを考えて、改めて動き出すことにしました。短い滞在期間の中で行政とのシンポジウムに参加して地元企業とのコネクションを作ったり、自分が身一つで動けるテレビやラジオへの出演で「沖縄出身のスタイリスト・知念美加子」の認知度を高めることもしました。
その結果、百貨店のディスプレイプロデュースや、琉球銀行の制服リニューアルのアドバイザーなど、今までとは違うジャンルの新しい仕事をいただくようになりました。

武器は変えない、アプローチ方法を変える

私の武器は「ファッション」。新しい土地に行ったからといって、0から全然別のフィールドで勝負をするのはもったいない。けど、ずっと同じでも勝負はできない。今ある武器をどう活かして広げていくか。#沖縄、#スタイリスト(洋服、おしゃれ、プロデュース)などのキーワードをまずは発信して、「こんなこと、知念美加子ならできる?」とまわりに思ってもらえるように種を蒔いた結果が、少しずつ形になってきました。
「ファッション」の軸は変えずに、でもアプローチ方法を変えることで、東京以外でも自分の仕事を作っていく。東京という場所に縛られず働ける環境を自分で作るために、一つひとつの仕事を楽しみながらも試行錯誤でこなしています。

次の課題は

月イチペースの沖縄帰省を始めて約2年。休日は旦那さんや地元の友人たちとゆっくりする時間も増やすことができるようになってきて、我ながら頑張っています(笑)。

でもまだまだあくまで東京が本店、沖縄は支店みたいな感じ。私の理想は「完全なる両立!」。旦那さんとの生活や、出産などの人生プランを考えると、もっともっと沖縄での軸足もしっかりさせて、沖縄が拠点といっても嘘にならないくらいボリュームを大きくしたいというのが、目下の課題。もっと沖縄で「知念美加子」の名前を見かけてもらえますように!そのためにやれること、ただいまイロイロ仕込み中です。

続きの記事<コンプレックスを「克服」するの、やめませんか?>はこちら

1987年、那覇市生まれ。スタイリストのアシスタントを2年経験し、2011年に独立。雑誌「ViVi」を中心に活動する人気スタイリスト。
大学卒業後、芸能事務所のマネージャーとして俳優・アイドル・漫画家や作家などのマネージメントを行う。その後、未経験からフリーライターの道へ。
縛られずに働く