広告特集 企画・制作 朝日新聞社メディア事業本部

養親になりたい方へ

制度に向けて調べている 
でもこんなお悩み、ないですか?
どんな養子縁組あっせん事業者が自分に合うだろうか?

養子縁組の全記録を永年保管、
こどものルーツ探しに寄り添う

日本国際社会事業団(ISSJ)常務理事 石川美絵子さん、大場亜衣さん

石川美絵子さん(右)と、大場亜衣さん
石川美絵子さん(右)と、大場亜衣さん

特別養子縁組でこどもを家庭に迎え入れることを検討している人にとって、民間の養子縁組あっせん事業者は検討段階から受け入れ後までを支え伴走してくれる頼もしい存在です。そのひとつ、日本国際社会事業団(ISSJ)は国際的な成り立ちを背景に、こどものルーツ探しに寄り添うことに力を入れています。

あゆみは1952年より。戦災孤児の援助からはじまった

石川美絵子さん
石川美絵子さん

ISSJはジュネーブに本部をもち、世界に37の支部を持つ国際団体「International Social Service」(ISS)の日本支部です。ISSJ設立のきっかけは、戦争でした。第二次世界大戦後の駐留軍兵士と日本人女性の間に生まれ育った、いわゆる「混血」と呼ばれたこどもたちを救済するために発足した「日米孤児救済合同委員会」が前身です。差別を受けるなど、当時弱い立場にあったこどもたちとその母親の福祉のために生まれました。そのような歴史を背景に、外国にルーツを持つこどもたちの支援もこれまで多く行ってきました。

特別養子縁組の支援もその一環です。「国際的な養子縁組」というと海を越えてこどもと養親をマッチングするようなイメージがあるかもしれませんが、そうではなく、現在私たちは、基本的には日本国内に住むこどもと、国内の養親候補者を引き合わせる「国内委託」を行っています。

日本国内に住んでいるこどもといっても、生みの親が外国籍であるなど、国際的な事情がある場合も、少なくありません。生みの親の国の法律や宗教が理由で、こどもが無国籍状態というケースもあります。母親から相談を受け、私たちが在日外国公館に問い合わせて無国籍状態になるのを避けるよう働きかけることもありますし、児童相談所などの関係機関からの相談を受け、外国籍のこどもに必要な手続きなどについてアドバイスをすることもあります。これまでの経験と蓄積を生かし、さまざまな方法で生みの親やこどもをサポートしています。

こどもが「ルーツを知りたい」といつ思い立っても大丈夫なように

大場亜衣さん
大場亜衣さん

予期せぬ妊娠をした人や、外国にルーツを持つ妊婦さんの支援と同じように私たちが力を入れているのが、こどものルーツ探しに寄り添うことです。組織の設立以降、すべての養子縁組に関する記録を保管しています。「自分のルーツを知りたい」という思いは、そのときそのときでうつろうものです。若いときは知りたくないと思っても、年を取ったら知りたくなるかもしれない。こどもがいつルーツ探しを思い立っても対応できるように、永年保管としています。

実際、壮年になってから生みの親に会いたいといって連絡してきたケースもありました。欧米に行っていたけれども、育て親さんがルーツである日本を大切にして、日本語にふれさせたり、日本人留学生を受け入れたりなどしていたため、自分のルーツが日本だとすんなり受け入れられたという人もいました。

「ルーツ探しを育ての親が応援してくれて、味方でいてくれたことがうれしかった」という人もいました。やはり、「自分がどこから来たのか」を知るということは、こどもにとってとても大事なことですし、その気持ちを肯定することで、こどもが人生を前に進められると感じられると思います。

最近は幼いころから特別養子縁組で迎え入れられたことをこどもに話す場合が多いと思います。いわゆる「真実告知」ですが、「真実」を「告知」するプロセスだと考えてしまうと、養親さんも構えてしまうし、すべての真実をこどもに伝えるのは、養親さんにとって荷が重すぎる場合もある。実子の家庭でも、夫婦の間のことをすべてこどもに教えているわけではないですよね。特別養子縁組だからといって、すべての真実をつまびらかにする必要もない。

私たちは、幼いころからこどもにもわかる言葉で、伝えられることを少しずつ伝えていくという方法をお勧めしています。いわゆる「テリング」という伝え方ですが、必ずしもそうしてくださいというわけではなく、養親さんごと、ご家庭ごとに合うやり方での伝え方をしてほしいと考えています。

ISSJ以外で養子縁組をした人からも相談を受け付け

また2018年ごろから、ISSJで養子縁組をしていない人から「ルーツ探しをしたい」という問い合わせが届くようになりました。私たちがこどものルーツ探しに伴走しているということをインターネットなどで知っての問い合わせです。なかには、自分が養子だということを知ったばかりで、どうしていいのか、どうしたいのかわからないまま、ただただ動揺して電話をしてくるという人もいました。

最初はこちらに記録がない人からの問い合わせにどう対応できるのか、難しい部分がありました。最初は「養親さんに聞いてください」とお答えしていたのですが、聞けないからこそ相談してきているわけですよね。やはり、どこの機関を経ての養子縁組かを問わず、どんな人からの相談にも応じる機関が必要なのではないかと考え、2020年に日本財団の支援を受けて「養子縁組後の相談窓口」を設置しました。

相談窓口ではまずじっくり話を聞くこと、そして相談者さんが孤独な状態でルーツ探しをしないようにすることを大切にしています。手伝ってくれる人はいるのかなどを確認したり、施設への問い合わせ時に私たちからも連絡をしたりするなどしてサポートします。

家庭調査はじっくりと「無条件で受け入れ」を強いない

特別養子縁組のあっせんでは、養親候補のご夫婦の家庭調査をじっくりと行っています。
一回ご家庭に行って終わり、ではなく、どんな思いで、どうやってこどもを幸せにしようとしているのか、ということを何回かにわけて面会やオンラインでお聞きします。そうすると、養親候補者さん自身も普段あまり考えていなかったこと――たとえば、こういった子は受け入れることが難しいと思っていたけれど、考えが偏っていたと気づくなど、ある意味「自分探し」をしていただき、ご自身の考えをより深めてもらうことができるのです。

ただ、だからといって「どんなこどもでも無条件に受け入れてほしい」とは、私たちは言いません。ご夫婦が自分たちのキャパシティーを超えていると不安になるようなマッチングはしませんし、いざこどもに会ってから「やっぱり無理です」ということがないよう、マッチング前にこどもの情報を伝え、親になるための気持ちの準備をしてもらうことにしています。

ISSJのサイトには「求める養親像」として、望ましい養親の資質を載せています。全部で16のリストで、読んだ人はもしかしたらハードルが高いと思うかもしれませんが、すべてを満たす必要はありません。夫婦で互いに足りないところを補い合えばいいですし、完璧な人間はいませんから。リストの中で特に大切だと考えているものはふたつです。

「ユーモアがあること」。そして、「外部に助けを求め、支援を活用できる」こと。物事を前向きにとらえ、周囲を頼ることができる力が、子育てには必要だと考えています。

私たちは養子縁組成立後も、いつでも養親さんの相談や報告を待っています。法的な養子縁組成立がゴールではなく、親子の関係はそこから続いていきます。こどもが「生みの親を探したい」と言い出すかもしれない。そのときそのときで立ち止まったり迷ったりしたときに、いつでも連絡をしてきてほしいと思います。

取材のために特別に見せてもらった資料。戦後間もなく、職員がこどもについて外部とやりとりした手紙なども残されている
取材のために特別に見せてもらった資料。戦後間もなく、職員がこどもについて外部とやりとりした手紙なども残されている
PROFILE
いしかわ・みえこ/社会福祉士。大学卒業後、民間企業・NPO勤務を経て2010年よりISSJ勤務。日本財団の「養子縁組記録の適切な取得・管理及びアクセス支援に関する研究会」などに委員として参加した。
PROFILE
おおば・あい/社会福祉士。ボストンカレッジで臨床ソーシャルワークを学び、2000年にISSJに入職、現在は事業統括部長を務める。養子縁組や無国籍児の支援などに携わる。
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