ワインに合うおかずレシピ

家飲みワインに合うおかずレシピ~肉料理編 3品

「家飲みワインに合うおかずレシピ」が欲しいという声に答えて、レシピ7品を作ってもらいました。家族で食事をしながらワインを飲む際に合うおかずレシピです。シーフード料理系3品、肉料理系3品、プラス自家製ピクルスの計7品。新型コロナウイルスの緊急事態宣言で「外飲み」ができなくなったいま、余った時間を利用して挑戦してみませんか。ZOOM飲み会にも映えるはずです。 地元山梨のワインを提供する「フォーハーツカフェ」を夫婦で展開する大木忍さんが家庭料理をアレンジしてレシピを作ってくれました。時短、洗い物の手間が省けることも考慮しています。2回目は肉料理系3品です。

気軽で生活に密着したワインを

大木忍さん=岩崎撮影

レシピを監修してくれた大木忍さんは甲府市出身。東京の食品メーカーを経て、カフェのプランナーに。飲食店立ち上げのための全体のプランニングやアドバイス、メニュー・レシピ開発といったトータルコーディネートをしています。最初にメニュー提案したのは、裏原宿のカフェ。その後、JR京都駅の駅ビル内の100席規模のカフェや新宿の京王百貨店内のカフェ、最近では宮崎県都城市で百貨店が撤退した跡のビルをリノベーションした図書館に併設されたカフェの立ち上げに協力しました。高校の同級生だった夫の貴之さんと1999年に故郷・甲府にUターンし、2000年に「フォーハーツカフェ」をオープン。山梨のワインと地元野菜を使った店で、県内のワイナリーの醸造家やワインを愛する人たちが集う場となっています。

忍さんがおすすめする家飲みワインに合う肉料理レシピ、1つめはこちらです。料理に使うジャムを選ぶときのヒントも教えてくれました。

鶏肉のジャムの漬け焼き

鶏肉のジャムの漬け焼き=岩崎撮影

海外では七面鳥を焼いて食べる際、フルーツソースを使います。例えばクランベリーなどです。フルーツソースは日本人になじみがあまりないかもしれませんが、今回は手作りのリンゴジャムを材料にして作ってみました。どのご家庭にも、眠っているジャムがありますよね。レシピは、マーマレードジャムでもブドウジャムでも置き換えられます。

調理のポイントは、ジャムが焦げやすいので、弱火で鶏肉の中まで火が通るようにすることです。付け合わせの野菜は、冷蔵庫にある野菜を焼けばいいので気取らずに。

少し甘みのあるフルーツのソースにはマスカットベリーAがおすすめです。

材料 2人前

鶏もも肉:2枚(1枚約150g)
ジャム:大さじ1と1/2(漬け込み用)、大さじ2(ソース用)
季節の野菜:適量
塩:少々
コショウ:少々
オリーブオイル:大さじ1(漬け込み用)、大さじ1+1(焼き用)
バター10g
白ワイン:大さじ1

レシピ

①肉厚なところは開いて薄くする。皮の方から包丁で数カ所刺す。味がしみこみやすく早く焼ける。
②ポリ袋に①の鶏肉、ジャム、オリーブオイル、塩、コショウを入れ、よくもみ込み、30分以上寝かせる。
③フライパンにオリーブオイルを大さじ1入れ、付け合わせの野菜を炒め、塩、コショウをし、皿にとる。
④同じフライパンに残りのオリーブオイル大さじ1を入れ、②の鶏肉を火が通るまでふたをして両面を焼く。ジャムが焦げやすいので注意しながら焼く。焼けたら野菜が盛られた皿にとる。
⑤フライパンに白ワイン、バター、ジャムを入れ、煮詰めてソースをつくり、④にかける。
※ジャムは冷蔵庫に残っているものでOK。マーマレードやリンゴ、すぐり、アプリコットをなどを使ってください。

鶏肉のジャムの漬け焼きの作り方=岩崎撮影

2つめがこちら。おなかをすかせた男性でも大満足の1品です。

もつのトマト煮込み

もつのトマト煮込み

イタリア料理の食材「トリッパ」をご存じでしょうか。

ここで使う内臓は、日本で手に入りやすい豚のもつです。

調理のポイントは、野菜をじっくり炒めて、うまみを出すこと。煮る際は、もつが硬くならないように弱火で時間をかけること。

このおかずに合わせるなら「軽めの赤かロゼ」など。

「フレッシュな果実味のある赤」をおすすめします。トマトの酸味とぴったりです。

どうしても白ワインが飲みたいという人には、もつに負けない「少し重めの白ワイン」を選びましょう。

材料 2~4人前

豚もつ:300g
タマネギ:1個
ニンジン:100g
セロリ:100g
ニンニク:1/2個
トマト水煮缶:1缶
ローリエ:1枚
塩:適量
コショウ:適量
オリーブオイル:大さじ3
バケットトースト:適量

レシピ

①野菜はすべて5ミリ程度の角切りにし、豚もつと一緒にオリーブオイルでじっくり弱火で炒める。(ふたをして野菜のうまみを出す)
②トマトの水煮缶を入れ、100ccの水で缶をゆすぎ入れる。ローリエを加え、1時間以上煮込む。
③塩、コショウで味付けをする。バケットを添える。辛いのがお好みの方は唐辛子やペッパーソースを入れても楽しめます。(ワインと楽しむ場合は控えめに)

3つめのレシピは柑橘類を上手に使った1品です。

鶏肉のレモン焼き

鶏のレモン焼き=岩崎撮影

レモン、ゆず、かぼす、すだち、ポンカン……かんきつ類なら何でもOKです。地元で採れたものと地元のワインなら最高です。

ソースにバターを入れてもおいしいです。

バターをソースに入れたのなら、「重めの白ワイン」、バターを入れないのならスッキリした「白ワイン」がおすすめです。

材料 2人前

鶏もも肉:150g×2枚
レモン:1/2個で(厚めの輪切り)
ディルなどお好みのハーブ:適量
塩:少々
オリーブオイル:大さじ1(漬け込み用)、大さじ1+1(焼き用)
ワイン:大さじ2
季節の野菜:適量

レシピ

①肉厚なところは開いて薄くする。皮の方から包丁の先で数カ所、刺す。味がしみ込みやすく、早く焼ける。
②ポリ袋に①とレモン、ハーブ、塩、オリーブオイルを入れてよくもむ。30分以上冷蔵庫に置いておくとさらにおいしくなる。
③その間に冷蔵庫にあるレンコン、長ネギ、ニンジン、大根などの季節の野菜を、フライパンでオリーブオイル大さじ1を入れて焼く。焼き終わったら皿に取り、塩をふる。
④②をオリーブオイル大さじ1でソテーし、ふたをする。裏返し、ワインを入れる。軽い蒸し焼きのようにして早く火が通るようにする。パリパリの皮がお好みの人はワインをいれずに。肉を皿に取り出したら焼き汁も肉にかけ、ソースにする。

鶏のレモン焼き=岩崎撮影

最後に、テーブルにあるとうれしい1品、ピクルスを。作り置きできるので、日々忙しいミレニアル女性たちも大助かりです。

自家製ピクルス

ピクルス=岩崎撮影

おまけに万能レシピともいえる自家製ピクルスを紹介しましょう。

「忙しいから家で料理はちょっと」と思う人には、作り置きできるので便利です。家に帰って着替えてからテレビを見ながらワインを飲む――。こういう人、一人暮らし、共働き夫婦にはちょうどいい簡単レシピです。「食事を食べたいというほどではないけど、口が寂しい」と思うとき、ありますよね。

ワインに合うピクルスにするにはポイントがあります。

あまり酸味や辛みを強くしすぎないことです。強すぎるとワインの味を舌が分からなくなってしまうからです。

野菜は、家にあるもの、手に入るものでOK。

ピクルスだけでもワインに合うし、ピクルスを食材として料理に使うこともできます。細かく刻んでオリーブオイルと混ぜて、鶏肉料理のソースとしてかけてもおいしいです。

「ふだん飲みは、値段が安い白ワイン」というイメージがありますが、これに合わせるなら軽めの赤ワインかロゼワインもいいそうです。

材料

野菜:大根、ニンジン、タマネギ、きゅうり、セロリ、キャベツ、みょうがなど
酢:200cc
水:200cc
砂糖:大さじ2
塩:大さじ1
ローリエ:1枚
ピックリングスパイス:小さじ1(マスタードシード、オールスパイス、グローブ、ディルシード、オレガノ、コリアンダーなどお好みのハーブやスパイスを混ぜれば代用可)

レシピ

①野菜を長さ4センチで1センチ角の拍子木切りにする。野菜の量は、直径20cm強のボウル1杯分ぐらい。
②切った野菜を保存容器に詰める。
③野菜以外をなべに入れて温める。沸騰したらすぐ火から下ろす。
④③が冷めないうちに、②へすべて注ぎ、一晩寝かせる。

ピクルスの作り方=岩崎撮影

ワインに合うおかずレシピ

・シーフード料理編はこちらから(https://telling.asahi.com/article/13237445)

ワインに合うおかずレシピ~シーフード編の3品とレシピアレンジの大木忍さん=岩崎撮影

※次はレシピを作成してくれた大木忍さん夫婦のSTORYをお伝えします。

ワインを楽しんでみませんか=大木貴之さん提供
医療や暮らしを中心に幅広いテーマを生活者の視点から取材。テレビ局ディレクターやweb編集者を経てノマド中。withnewsにも執筆中。