ヒミツの台湾さんぽ

ヒミツの台湾さんぽ ―外にイス#06―

 台湾の街を歩いていると、ふとしたところに心ときめくかわいいがあふれています。見ていると台湾の人の暮らしをどことなく感じられる気がして、なんだかうれしくなっちゃうようなすてきな景色たち。何気ない街角にこそそんな“胸キュン”が散りばめられていて、それはまさに宝探しのようです。  この「ヒミツの台湾さんぽ」では、そんな街歩きのちょっとした楽しみをお伝えできればと思います!

●ヒミツの台湾さんぽ 06

誰がそこに、なぜそこに

めっちゃ歩道にイス。しかも屋外用のベンチとかじゃなくて、ガッツリ屋内用の事務イス。誰が置いたか謎。けれども、そこに人の気配や暮らしの足跡があるようで、台湾でよく見かけるこの「外にイス」な風景がすごく好きです。

ダイニングテーブルとセットのイスかな〜。おそらく何かの作業用に使っているんだろうと推察。

住宅の入り口前に革張りのチェア。台湾って歩道に建物が出っ張ってるから雨に濡れない。だからこそありなのかも。この「外イス状態」。

道ばたで。屋根もなくて完全なる屋外にて、豆腐干しの台代わりに。すごいぞイス! 万能だイス!

これは三角コーン代わり? 雑な仕事がかえって愛おしい。

……通路の超ど真ん中。通りづらいとかおかまいなし。でも、ここに誰かが座ってなにかをしているんだなぁって思うと、いいなぁ、ステキだなぁって思います。

アートにもイス。ビビッドピンクのイストンネル。イス愛があふれてる!? @鹿港のインフォメーションセンター前

そこにイスがあるということは、それに誰かしらが座って、ともすれば人が集まって。そんなのんびり、ワイワイ、ゆったりとした時の流れを感じるとともに、外だろうが歩道だろうが家にあるイス出して座っちゃうよ、的なユルさがとってもいいな〜と。この「外イス」を見ていると、その自由さに、あんまり決まりごとに縛られなくてもいいんだよね、と気持ちが楽になったりして。

外イスマインドな青空食堂

外だっていいじゃん! っていう気楽さの中で食べる朝ごはんというのもいい感じです。

もう台北観光のお約束ともいえるここ「慈聖宮」(ツーシェンゴン)にある小吃街(シャオチージエ)。海の女神さまを祀るお廟の前に、大きなガジュマルの樹がドドン! その足元に並ぶテーブル席で食べる朝ごはんは、とびきりおいしいです。なんせ気持ちがいい! これぞ「外にイス」の究極系と、勝手に思っている次第。

 ちなみに、ここでの個人的お気に入りは「葉家肉粥」(イエジァロウジョウ)。豚肉と干しエビとダイコン、台湾エシャロットなどのうまみが凝縮されたピュアスープで食べるお粥です。暑くて食欲がない朝も、これならサラサラ食べられちゃいます。肉粥のお供には「紅燒肉」(ホンサオロウ)をお忘れなく。サックサクの豚肉揚げを甘めのタレでいただくコイツもかなり罪なヤツです。店は朝〜昼過ぎのところがほとんどなので、お早めにどうぞ。

○慈聖宮小吃街

台北市大同區保安街49巷17號
https://drive.google.com/open?id=1rB3KpO8dA8LbcwF9mK9ZfGFKSLqZSocc&usp=sharing

いつか私も外にイスを出して、日がな一日読書とかしてみたい。そんな妄想膨らむ台湾の街角でした。謝謝!

◆今回のさんぽMap

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編集者。台湾に心奪われ隙あらば旅に、あげく勤めていた出版社を辞めて台北に語学留学。台湾や植物関連の書籍制作に携わる。ラブ台湾、ラブ植物!
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