スンドゥブランチ ―A-CHAN 「NY, Marching Home!」
現代写真の巨匠、ロバート・フランク氏のただ一人のアシスタント、A-CHAN(アーチャン)。ニューヨークで彼女が出会った日常を写真と文章で切り取ります。毎月月末~月初、1週間連続でお届けします。
●A-CHANフォトエッセイ「NY, Marching Home!」
スンドゥブランチ
マンハッタンのスパニッシュ・ハーレムから、ジョージ・ワシントン・ブリッジを渡るとそこは、 NJ, Fort Leeで、そこには、大きなコリアンコミュニティーがある。
お昼過ぎにというのに週末のレストランは賑わっている。
ここのレストランのスンドゥブはおいしい。
スンドゥブと一緒に骨付きカルビにかじりつく人もいる。
喧騒の中、お店の真ん中あたりの席から、女の子の声が聞こえた。
「あーたーまーに ごーはーんーが つーいてるよ!」
ここで日本語を聞くなんて予想もしなかったので、何を言っているのか、最初は理解できない。
日本人の4人家族。
弟は、まだ幼児用の椅子を使っている。
おねぇちゃんは、弟の向かいに座っていて、何度も大声で注意している。
弟の坊主頭の上に米粒が付いているらしい。
おねぇちゃんの努力のかいがあり、弟は手で頭をなぞりながら、米粒を探している。
坊主頭にのっていた米粒は、手にはじかれて、ノミの様な跳躍力ではるか彼方へ飛んでいった。
それが、はっきり見えた気がした。