子連れで再婚、ステップファミリーを築いた女性たち 幸せのカギはどこに?

近年、夫婦の3組に1組が離婚する時代。結婚する女性のうち再婚である割合は4組に1組といわれています。中には子連れ再婚をしてステップファミリーを築く結婚の形もあり、初婚とはまた違う難しさも。シングルマザーを経て新たな伴侶とステップファミリーを築いた女性たちに、困難を乗り越えて得た幸せのカタチについて聞いてみました。
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産後1カ月で離婚、28歳でシングルマザーに

彩花さん(36歳/仮名)は5年前に 、子連れ再婚をしてステップファミリーを築いた3人のママです。最初の結婚は26歳の時。9歳年上の男性から熱烈なアプローチを受け、1年間の交際を経て結婚しました。しかし結婚後、2人の結婚生活には徐々に暗雲が立ち込めていきました。

挙式・披露宴を終えると、すぐに子宝に恵まれましたが、妊娠してしばらくすると、夫からの束縛がとても激しくなっていったのです。そして、出産前後には耐え難いほどの暴言や暴力がエスカレート、警察沙汰になるほどの手がつけられない状況に……。

初めての出産・育児の中、彩花さんは幼子を抱えて前夫から逃げるように産後1カ月で離婚に踏み切りました。28歳で男児のシングルマザーとなったのです。

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離婚してしばらくは、東京で息子と2人暮らしをしていました。しかし、「子どもが1歳になる誕生日には、家族みんなでお祝いしたい」という思いから、そのタイミングで実家のある大阪へ引っ越すことになり、親元近くで心機一転、暮らすようになりました。

可愛らしくてスタイルも良く、明るい性格の彩花さんは、幼少期からとてもモテていました。離婚後、シングルマザーとして東京で暮らしていた頃にもアプローチしてくる男性は複数いたと言います。でも、壮絶な離婚劇を経験した彩花さんは人間不信に陥っていて恋愛する気が起きず、また彩花さんのことは好きだと言ってきても、子どもまで大切に思ってくれる男性は現れなかったと言います。

出戻った郷里で旧友と再会

地元に戻ってからも、とにかく子どもを育てることに必死でした。1年後のある日、小学校からの男友達から連絡が来て「久々に会おうよ」という話に。彩花さんに合わせて、子どもも遊べるような近所にあるフードコートで集合したその時に、男友達が連れてきた高校の同級生が、のちに再婚する賢二さん(仮名)でした。

実は、賢二さんとは大学時代にも会ったことがありましたが、当時はお互いに恋人がいたので、恋愛関係には発展しなかったとのこと。ただ、お互いに好印象ではあったようです。フードコートで再会した時、賢二さんは「もしかしたら結婚するかも……」とビビビッときていましたが、彩花さんは、離婚したてでそんなことを思う余裕はなかったようです。

その再会した日から、2人は連絡を取り合うようになりました。賢二さんは独身(結婚歴なし)で実家暮らし。彩花さんは子どもの夜泣きで起きている夜の時間に、賢二さんとよく長電話をするようになりました。そのうち時々食事に行ったり、土日は賢二さんがホテルを取ってくれたりして、子どもと3人でデートできるよう計画してくれたといいます。子どもはどんどん賢二さんに懐いていきました。

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そして、フードコートでの再会から2カ月後に、賢二さんから「結婚を前提に付き合ってください」との告白があり、真剣交際がスタート。同時に、同居するための家探しも始め、交際から4カ月後に妊娠が発覚。もともと賢二さんは「彩花さんと交際=結婚」を見据えていましたが、妊娠を機に改めてプロポーズをし、交際から9カ月後に晴れて婚姻届を出したのです。

そして、交際からちょうど丸1年後に、賢二さんとの間の子ども(彩花さんにとって第2子)が誕生。その2年後には第3子も誕生し、現在は家族5人でにぎやかな家庭を築いています。

実は、1人目の息子には再婚のことを伝えていないと言います。再婚した2歳の頃から一緒にいたので、賢二さんが本当の父親だと思っていますし、賢二さんも自分の子どもとして育てています。

「今のところ、血がつながっていないことを長男に言うつもりはない」という夫の賢二さんは、どんな思いで彩花さんと結婚し、連れ子も受け入れて家族として暮らしているのでしょうか? 

子連れ女性との結婚を決めた“夫側”の本音

今回、夫の賢二さんにも、インタビューすることができました。賢二さんはアクティブで交友関係も広く、休日には友達とアウトドアへ出かけるなど忙しくしているタイプだったのだそう。そんな独身を謳歌していた賢二さんが、「なぜ彩花さんを子どもごと受け入れ、結婚したのか?」と聞いてみたところ、最初に出た言葉は「そんなに深く考えていなかった」と。しかし、話を深く聞いていくうちに二つの要素が見えてきました。

取材に答える彩花さんと賢治さん

一つ目は、めいっ子が生まれて可愛がるようになり、「子どもっていいな」という思いが芽生えていたこと。親戚の子どもなどが身近にいると、家庭を持つイメージが湧きやすいのですね。彩花さんいわく、賢二さんは「子煩悩なタイプ」だそうです。

そして二つ目は、純粋に彩花さんに魅力を感じていて、もし付き合うなら結婚前提だと思ったとのこと。子ども抜きに彩花さんとの交際はありえませんから、付き合う時点で「結婚して連れ子と家族になる」という覚悟を持っていたのですね。交際当初からデートをするときには子どもも一緒だったし、そうやって共に時間を過ごしていく中で、賢二さんと長男の間で徐々に親子としての関係性を育んでいったそうです。

とはいえ最初の頃は、やはり遠慮もあり、長男を“叱る”ことが難しかった時期もありました。そこで、まずは絆ができるまでは優しく接することを優先し、しっかりと信頼関係ができてからは愛をもって叱れるようになっていきました。

彩花さんとの間にも2人目、3人目が生まれましたが、長男と実子との間に愛情や感情の差は「ない」と、賢二さんは断言。「時間とともに自分の子どもになっていくから、血がつながっていないことは全く気にする必要ない」。実際に、実の親子さながら仲の良いパパと息子の関係で、2人で遊園地など色々なところへ出かけることも多いそう。

子どもたちに分け隔てなく愛情を注いでくれる賢二さんと出会い、再婚できたことについて、彩花さんは「長男のおかげ」と感じているそうです。結婚して5年が経ちますが、子どもが寝た後に夫婦で映画を見ながらお菓子パーティーをしたり、記念日には花束のサプライズがあったりと今でもラブラブ。2人からは並々ならぬ「家族にかける決意と情熱」を感じました。

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2児を出産するも、夫の浮気で離婚

今年42歳になる美咲さん(仮名)は、4児の母です。高校3年生と2年生の娘2人は前夫の子どもで、7歳と3歳の下の子は現夫の子どもになります。小学2年生の時に母を亡くし、孤独を感じながら生きてきた美咲さんが、夢見ていた「家族だんらん」を実現するまでには幾多の困難がありました。

幼少期の美咲さんは、文武両道でリーダーシップをとる学級委員タイプ。中学校ではバレー部でキャプテンを務めるなど、快活な学校生活を送っていましたが、高校は“なんとなく”中退。その後はカラオケ店で深夜バイトをしていました。

実は美咲さんは早くに母を亡くし、父も仕事が忙しく、とてつもない孤独を感じていたそうです。「いつ死んでもいい……」とさえ思ったほどでしたが、せっかく生まれてきたんだから何かして死のう、それならば「自分の子どもが見てみたい」「家族でだんらんとかしてみたい」と思っていました。

そんな中、たまたまつるむようになった中学の同級生男子数名の中の一人、アキラ(仮名)と親密になり、19歳の時に交際がスタート。彼は中卒ですでに自営業で建築の仕事をしていました。

美咲さんは、将来自分の子どもに誇れるようにと大検を取り、興味のあった分野の短大へ進学、その後専門学校にも通いだしました。ところが、専門学校に通い始めてすぐにアキラとの子を妊娠し、在学中だった23歳の時に結婚。24歳で出産し、勉強と育児を両立しながら専門学校を卒業、その年には2人目を妊娠したのです。

専門学校に通いながらの出産・育児はとてもハードだった上に、2人目を妊娠してつわりもひどく、体調がすこぶる悪かった美咲さん。それなのに、この頃からアキラは仕事にパチンコに飲み会と、育児に協力するどころか家にいる時間がどんどん少なくなり、深夜1時帰りだったのが、次第に朝帰りが増えてきて…。

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そんなある日、アキラは、結婚していることを隠して浮気しており、その彼女はアキラと結婚するつもりでいるほど本気の交際をしていることがわかりました。美咲さんは吹っ切れ、アキラとの約5年の結婚生活にピリオドを打ちました。

それからは地獄の日々。最も恐れていた孤独と、2人の幼子を抱えての将来の不安に押しつぶされ、毎晩泣いていたと言います。また吹っ切れたと言っても、子ども二人より浮気相手を優先したアキラへの怒りと悲しみ、妻として裏切られた絶望感など、精神的ショックは言葉で言い表せないほどでした。

離婚から1年経ったある日、アキラから連絡があり「養育費を減額する」と一方的に言われ、美咲さんはやむなく働きに出ることに。2人の子どもは未就学なので時短勤務で仕事を探し、育児との両立に必死な毎日を送っていました。

再婚で4人のママに

ようやく仕事にも慣れてきたある日、勤務先の社員さんたちと数人で、家族連れでバーベキューをする企画があり、美咲さんも子どもたちを連れて参加しました。そのバーベキューで幹事をしていたサトシさん(仮名)が、現在の夫となる一回り年上の男性です。サトシさんはみんなに気を配る優しい人で、帰りは美咲さん親子を家まで送ってくれたといいます。

帰りの道中では、美咲さんの身の上話に花が咲き、次第にサトシさんも自分のことを話し出しました。すると、既婚で中学生の子どももいるサトシさんでしたが、家庭内別居中で離婚するかずっと悩んでいることを打ち明けてきたのです。

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当時、美咲さんには再婚願望は全くなく、ただただサトシさんの離婚相談に乗ったり、話し相手になったりする関係でした。サトシさんのほうは美咲さんを意識していたようですが……。

その後、サトシさんは前妻との離婚が成立。そして、美咲さんへ結婚前提の交際を申し込み、付き合いがスタートしました。付き合ってからすぐにでも結婚したいと思っていた二人でしたが、最初の頃は美咲さんの長女が再婚に反対。サトシさんは少しずつ美咲さんの家に通ったり、近くに引っ越してアパート暮らしをしたりするなど、徐々に美咲さんの長女と次女との接点を増やしていき、信頼を得ていきました。

交際して1年ほど経ち、妊娠が発覚して結婚。美咲さんが33歳の時でした。順風満帆な再婚生活のスタートに見えましたが、第3子を出産後、サトシさんが胃がんで闘病したり、その後に授かった子を流産したりするなど、様々な困難もありました。
しかし、再婚同士の二人の絆は深く「今度こそ幸せな家庭 を築きたい」との強い思いで、どんな困難も力を合わせて乗り越えてきました。

そして、結婚から4年後に、第四子を出産。現在美咲さんは、賑やかな6人家族を支えるママです。前の結婚で苦労したことも大きいのか、サトシさんは仕事も忙しい中、洗濯や皿洗い、掃除など家事もこなし、育児にも全力で取り組んでくれるそうです。結婚して8年が経つ今でも、美咲さんはサトシさんのことを「いい夫だな」と心底思うのだそう。

人一倍苦労する道のりではありましたが、こうして美咲さんは、高校を中退して「いつ死んでもいい」と思っていた10代のあの頃に、一筋の希望であった「家族だんらんをする」という夢を今、かなえたのです。子どもの反抗期や親の介護など、いまも色々と困難はありますが、これまでの苦労に比べたら「大したことはない」と美咲さんは言います。

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最初の結婚での教訓は無駄にならない

今回、取材した2人の女性に共通していたことは、「前の結婚で苦労したからこそ、今の幸せがある」ということです。実際に、前の夫とは違うタイプの男性と再婚しています。

パートナーを選ぶ際に、自分の気持ちだけでなく「“子どもも含めて”幸せになれるか、一緒に家庭を築けるのか」という視点があることで、より深く相手を見ることができているのではないでしょうか。そして、それまで傷つき苦労した分、「次こそは絶対に幸せな家庭を築く」という確固たる決意と、そこにかける情熱を感じました。

ステップファミリー構築に踏み出したカップルの懐は深く、初婚の時とはまたひと味もふた味も違う、彼女たちだからこそ感じられる幸せの実感があるのです。

38歳女性の「再婚活」実録 壮絶な離婚越え、ある「転換」が人生を変えた マッチングアプリ以外にも「出会い」はある!? コロナ下の恋愛事情
一般社団法人日本合コン協会会長。東京ママパーティー主宰。唎酒師。 数々の合コン・婚活パーティーやママイベントの運営に携わり、恋愛心理やコミュニケーションに精通する恋愛アドバイザーとして活動中。 著書は6冊。一児の母。