「独身おじさん友達いない問題」をきっかけに、独身女性の友人問題について考えてみた

「独身おじさん友達いない問題が意外に深刻」というAERA dot. の記事が話題になっています。42歳の独身女性ライターの私の元にも、男友達から記事のリンクが送られてきました。では女性はどうか? と周囲を見渡してみると、女性の場合は私も含め、適度な交友関係を持ち、楽しく過ごしている人が多いように感じます。とはいえ、女性ならではの難しさもあります。女性の友人問題について考えてみました。
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家庭アリ女性と独身女性の間に流れる“深い溝”

最近、私の周りで男と女の友人関係の違いを象徴するように感じる出来事があった。友人女性が夫婦そろって、新型コロナに罹患。小さな子を持つ家庭での療養生活を気遣い、女性には友人たちから食料品が送られてきたが、夫の友人からは、1つも送られてこなかったという。
「もともと友好関係の広い人ではないけれど、ほんとに人との交流がないんだなと思った」と言って友人は笑っていた。

そもそも話題の「独身おじさん友達いない問題」は記事などによると、独身の中年男性が家庭を持った友人と疎遠になり、話し相手は会社の人だけとなりかねない事態なのに、友だちの作り方がわからず、悩むといった問題だ。
一般にコミュニケーション能力が高い女性は、「友達いない問題」とは無縁と思われがち。ただ、女性にも面倒な人間関係はある。

例えば地方と都市在住。既婚と独身。子持ちか子なしか。男性同士よりも女性同士の方が、友人関係に生活環境が、より反映されやすい面があるのでは、と感じる。妬みやひがみといった感情を抜きにしても、生活環境が大きく変わるために、単純に話題が合わなくなってしまうのだ。昨今はコロナに対する考えの違いによる隔たりも生まれた。

かくして独身女性も独身男性と同じく、家庭がある子育て中の女性の友人との距離が離れていきがちなことは、否定できない。

実際に子育て女性と独身女性は、「子育てしていてすごいねぇ」「いやいや、働いて自立していてうらやましい」といった不毛な会話をついつい繰り広げる。仕事と育児はまったく別のもので比べようがないのに、なぜか自分の状況を卑下し、相手を上げる発言を互いにする(本心は別)。

そこに子育てしながら仕事もバリバリこなす、辻ちゃんのようなスーパーウーマンが同級生にいたら、友人同士の話はさらにややこしくなる。すべてを持っている(ように見える)女性とマウンティングし合って疲れるだけ。10代の頃は同じ教室で楽しく過ごしていたのにねぇ……。

女性友人との交流で意外に大事な「金銭感覚」

Getty Images(1枚目も)

私が、女性の友人との交流で意外と重要なポイントだと感じるのが、「金銭感覚」だ。同じように働いていて収入があったとしても、子どもを持ち、住宅ローンを払っている女性と、身軽な独身女性とでは自由に使える額が、まったく違う。たまにしか会わないと余計に、お店選びや遊ぶ場所に迷ってしまう。

この話を男友達にすると、「男同士で飲みに行く場合、相手に家庭があってお小遣い制だからといって気にすることはない。自分で使えるお金がなければ、飲みに来なければいいだけでしょ」と言う。シンプルでうらやましい。

家庭を持つ女性と独身女性の関係性は年齢を経ると変わっていくものなのだろうかと、50代の独身女性に聞いてみたら、「家庭を持つ人とはずっと話が合わない」とバッサリ。家庭を持っている側も恐らく、同じように思っているのだろうけど……。

ただ最近私は、この女性の関係性への処方箋を見つけた。家庭アリ女性にも独身女性にも共通する話題、それが「自身の老い」と「親の介護」だ。
「しわや白髪が増えてきたんだよね。シミが気になるんだけど、どのシミ消しがおすすめかな?」
「健康診断で要経過観察になってさ……気を付けないとね」
加齢の問題は、属性に関係なく直面する。そして、状況が違う立場からの情報交換が、割と役に立つ。教室で休み時間にワイワイ話していた感覚に戻れる! 私は小躍りしそうになった。

ランニングコミュニティーから「世界が広がった」

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地元に残るか、進学や就職などで地元を離れるかによっても、大人になってからの友人関係は変わってくる。生まれ育った場所に残る人は、中学や高校の友人関係を大人になっても維持している場合が多い。

私の場合、27歳のときに転勤で福岡から上京したため、いま、日常生活で交流しているのはすべて社会人になってできた友人だ。

上京したての頃、東京には仕事の知り合いしかいなかった。仲の良い職場だったけれど、土日までは会いたくない。休みの日にすることがなくて、せっせと脱毛に通った。脇と腕がツルツルになった頃、寂しさがピークに達し「東京で友達を作ろう!」と思った。当時主流だった、SNSの草分け的存在「mixi(ミクシィ、なつかしい!)」のコミュニティを検索すると、「初心者大歓迎!」と謳ったランニングコミュニティを発見。勇気を出して参加ボタンを押し、駒沢公園を走る会に行った。すると、そこには同世代の地方出身者がたくさんいた。職場以外ではじめて東京の友達ができた。その仲間から、異業種交流会に誘われ、東京でさまざまな仕事をしている人と出会い、世界が広がった。あのときの出会いがあったから、私は31歳でフリーランスになる選択ができたのだと思う。

友人は人生に不可欠ではないが・・・

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東京での生活に慣れてくると、さらに交友関係が広がった。それを助けてくれたのは、お酒と趣味だ。飲み屋でつながった仲間は当然お酒が好きなので、定期的に飲みに行ける。ワインを勉強すればワイン好きの人と出会い、“ワイン会”なるものに誘われ、そこからまた縁がつながる。

お酒を飲まない人でも、人脈を広げる手段はたくさんある。最近では土日にボランティア活動に参加する社会人も多い。私も子どもたちに勉強を教える学習支援のボランティアによく参加していたが、教える側の大人同士が生徒以上に仲良くなっていた(笑)。今は、インターネットやSNSでコミュニティを見つけるのも、以前より簡単になっている。

そうはいっても、友達がいなければ、絶対に生きていけないわけではない。マウンティングされて疲弊するような友達と付き合うくらいなら、家でひとりでNetflixやAmazonプライムを見ていたほうが、よほど心が豊かになれる。

さて、今日もまた、「陽性だった」と独身の友人から連絡が入った。私はすかさずAmazon(通販のほう)で買った食料品を友人に送る。かくいう私も、ワクチンの副反応で高熱を出して動けなかったときには、友人がUberEatsでおかゆを送ってくれたり、おいしいスイーツとジュースを置き配してくれたりしたのだ。

確かに、この年になって一緒にいて疲れるような友達付き合いをする必要はない。ただ、頼れる存在だった親も高齢になっていく40代以降、友人の存在は心理的安全性をもたらしてくれることもある。やはり、持つべきものは友である、とコロナ禍を経て、改めて私は思っている。

41歳で始めたマッチングアプリにモヤモヤした話 独身42歳、結婚式参列で見える景色が変わった
ライター/株式会社ライフメディア代表。福岡県北九州市生まれ。雑誌、WEB、書籍でインタビュー記事を中心に取材・執筆。女性のハッピーを模索し、30代はライフワークとしてひたすらシングルマザーに密着していました。人生の決断を応援するメディア「わたしの決断物語」を運営中。
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