働き方を変えてくれたのは、リーマントラベラーの「休み方改革」。コロナ禍でも視野は世界に。
●自分を変える、旅をしよう。#21 福原南奈さん(25)後編
リーマントラベラーの東松寛文です! 後編も会社員として忙しい毎日を過ごす福原南奈さんにお話をうかがいます。福原さんも社会人になったばかりの頃は、仕事で旅行の計画が立てられず、嘆いてばかりだったのだとか。仕事の合間に旅できるようになった理由とは?
リーマントラベラー東松(以下、――):ところで、 福原さんは「リーマントラベラー」について、いつ、どこで知りましたか?
福原南奈さん(以下、福原): 大学は東京でしたが、社会人になり配属が東京ではなくなってしまいました。地方で出会いも刺激もないと嘆いてばかりで。しかも学生の頃から好きだった旅行も、社会人になってから自由な時間や計画的な長期休暇が取れず、計画すら立てられず悩んでいました。もっといろいろなおもしろい人に出会いたい、外国籍の人と出会って英語力を取り戻したいと、思い切ってTinderに登録したんです(笑)。そこで出会った旅行好きの人に、「あなたも東松さんのように“リーマントラベラー”を目指したら?」と言われ、東松さんのインスタをフォローしました。
――そうだったんですね!Tinderに出会った方に感謝です(笑)。リーマントラベラーを知って、旅のスタイルや普段の生活で変化したことはありますか?
福原: 「働き方改革」ではなく「休み方改革」がすごく斬新だと感じましたし、「休み」に照準を当てることで働き方も変わり、充実した毎日になるのは間違いないと意識を変えることができました。
充実した休みを過ごすことを目標に、すごく計画的に仕事をするようになりましたね。いかに早く終わらせるか、早く帰るためにはどうするか、いつも考えながらスケジューリングしています。社内の働き方改革やD&I推進について取り組んでいるので、毎日残業するなんてダサいと堂々と定時で帰っています(笑)。日本の大企業で働いているので、そもそもそういう考え方の人が少なくて、暇だとか人生楽して生きていると言われますが(笑)。
――そうなんですね。早くみんなの意識が変わるといいですね。旅に出るようになって、変わったことは何ですか?
福原: 趣味が多いので、貯金するために、普段から節約しなければならないのはストレスが大きくて嫌いです(笑)。そもそも、海外旅行はお金がかかるものと思っていましたが、工夫次第でコストを抑えても十分に楽しめると気が付きました。また、旅行だけではありませんが、何事もこわがって挑戦しないことが一番もったいないと思います。想像しているよりもこわいかもしれないけれど、それ以上に楽しいかもしれない。現実は情報とは違う可能性もあります。そんな懐疑心を持ちながら、何でもとにかくやってみる、そんな心持ちが身についたかもしれません。
――逆に、旅に出るようになっても、変わらなかったことはありますか?
福原: それはないかもしれないです。毎回刺激を受けて、良くも悪くも影響されています。
――福原さんにとって、“旅”とは?
福原: 本やネット、SNSなどさまざまな媒体で、その国や土地について書かれていたり、写真が投稿されていますが、実際に自分で行ってみて、その情報が本当かどうか、さらにその情報の裏には何があるのか検証することが好きです。情報は、書いた人の考えや思想が反映されています。また、見え方も人それぞれ異なると思うので、私がその体験やものに触れた時の感覚や考えを大切にしています。
――次に行ってみたい旅先を教えてください。
福原: イスラエル、チェコ、新疆ウイグル自治区、チベット、北朝鮮、バスクなど、いっぱいあって1か所に絞ることはできません。思想の違いによって歴史的に軋轢が生じた国や、今なお市民と主力勢力とで対立がある国は気になります。そういう国ならではの空気を肌で感じて、実際に生活している人の声を聞いてみたいです。
私はよくトリップアドバイザーを使ってツアーを申し込むのですが、ガイドさんが地元の大学生だったり、みんな優秀でハングリー精神が旺盛で、とても刺激を受けて勉強になります。独自の文化観が強い、バスクは特にいいですね。ごはんもワインもおいしそうで魅力を感じます。
――最後に、福原さんのこれからの夢や目標を教えてください。
福原: 実は目標がないので、明確な目標を立てることが目標です(笑)。こういう風になりたいという理想像はあるのですが、毎日何となく生きているので、少しずつ小さな目標を積み上げて私が思い描く理想像に少しでも近づけるようになりたいです。
あと、海外に行くと「とにかく何でも思い切って挑戦する」スイッチが入りやすいんです。日本にいる時も思い切って挑戦してみる精神を忘れないようにしたいです。
私はとにかく面倒くさがり屋で、アウトプットが苦手。旅先でも写真を撮らず、日記やSNSなどで記録を残さないので、旅で得た新鮮な情報やその時に思ったこと、考えたことを綴っていくようにできたらいいですね。そうしたら、今よりも鮮明に記憶に刻まれるはずですし、その情報がきっかけで誰かの刺激になるかもしれません。
――今はまだ海外を旅することはできませんが、これからも“リーマントラベラー”でいる予定ですか?
福原: そうですね。そうありたいです。実は、社会人になって縛られた生活で、自分の意見を、主張できず、悩みすぎてうつ病で休職をした経験があります。その時は、完璧主義で義務感や責任感、考え方のクセが強かったと思います。今では、私はたぶんHSS型HSPだと納得して、再びあの感覚にならないように、自分らしく、楽しく生活できるように心がけています。コロナ禍で世界が狭く感じてしまう人も多いとは思いますが、社会にも会社にも縛られないように、今は旅ができなくても、世界に視野を向けて過ごしていきたいです。
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