telling, Diary ―私たちの心の中。

「女性の味方」のはずが……女性上司への憂鬱

女性も当たり前に出世する時代。telling,読者の中にも女性上司を持つ人は多いと思います。働く女性にとって強い味方になってくれそうな彼女たちですが、人によってはとても厄介な存在になることも……ミレニアル世代のライター・神山園子さんが、女性上司に抱くモヤモヤの理由を考えました。

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女性だからってよき理解者になるとは限らない

女性の上司が苦手です。「女性の気持ちを理解してくれるからいいね」と言われるんですが、同性だからこそのやりづらさってあると思います。

会社の飲み会でコンパニオンみたいな扱いをされモヤモヤしていた時、女性上司に「私たちの時代はもっと酷かったよ!」と言われたことがあります。同じ経験をして、それに耐えた人が出世をしているという事実に何も言えなくなりました。実際、彼女がセクハラまがいの言葉をかけられても気にせずあしらっている姿を見ると、この会社ではそうやって生きていくしかないんだなって絶望してしまいます。

男性社会のなかで出世している女性って少なからず「男勝り」な部分があると思います。武装しないとやっていけないからだと思いますが、男勝りな女上司の中にはさも「会社の女性社員を代表している」かのような顔で男性的な主張をする人もいるから厄介です。

セクハラに悩んでいる女性社員に対して「私ならキッパリ断れるけど」と言った女性上司もいました。その一言で、一気に断れなった方が悪いみたいにされてしまう。女性だからよき理解者になってくれるとは限らないのです。

同性でも違う人間。一緒にしないで

ふと思い出すのは学生時代の女性体育教師です。

生理のためにプールの授業を休むということを伝えると、「タンポンを使えば大丈夫」と言ってきたり、「終わりかけなら問題ない」と、授業に参加させようとしてきました。男性教師が言ったら大問題になっていたでしょうが、女性が言うことだからと問題にはなりませんでした。女性だからって生理のことをすべて知ったように話していいんでしょうか。個人差があるし、同性だからってあなたと私は違う人間。その時に、理解者みたいな顔をして女性を生きづらくさせる女性の存在に気づきました。

結婚・出産を経てもバリバリ働くことができる女性がいます。彼女は夫が在宅勤務のフリーランスなので、育児をかなりの分量受け持ってくれているそう。夜も気にせず宴席に出られると言っていました。そういう女性もいるし、出産を機に働き方を見直さないと家庭が回らない人もいます。でも、バリバリ働いているほうが出世し、周りの人は「あの人がやれているんだから」と同じレベルを求められる。その人を基準に会社が回ってしまうのです。

性別でくくるのやめませんか?

よく「女性らしい目線」、とか「女性ならではの感性」みたいな言葉を耳にしますが、私はこれも変だなと思います。自分の目線が「女性らしいね」と言われたら嫌な気持ちになります。「女性ではなくて私の目線です」、と。

いま私の会社では「相談しやすいだろう」という安易な発想で、セクハラの対策窓口を女性にしようという動きがあります。しかし、前述したように「私なら断れる」とセクハラに無理解な女性がいることも事実です。性別ではなくて、その人個人に資質があるかどうかを見極めてほしい。なんでも同性なら理解できるってわけではないのに、なぜか女性は女性でひとくくりにされがちですよね。

むしろ、酷いことを言われても全く違う人種だと割り切れるから男性上司の方が気楽です。よき理解者として振る舞いながら、女性を追い詰める女性上司への憂鬱、この先もずっと続くんでしょうか。

1991年生まれ。芸能・出版などマスコミ業界で働く会社員。リアルなミレニアル世代として、女性特有のモヤモヤや働き方などを主なテーマに記事を執筆中。
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