夫の家事リテラシーアップ講座

家事分担できてる? 夫の家事リテラシーアップ講座「お風呂掃除」編

夫婦共働きの生活では家事分担をするはずなのに、あれ? 夫の家事のレベルが………。妻が言っても夫は機嫌を悪くするだけ。だったらプロの“先生”にお願いして夫の家事レベルを上げちゃいましょう!「お風呂掃除編」「洗濯編」「キッチン掃除編」の3編に分けてお届けします。

「お風呂掃除といえば浴槽を洗うくらい」? まずやるべきことは

今回、家事リテラシー講座に挑戦するのは、会社員の安達慧(けい)さん。「結婚当初はごみ捨てしかしていなかったのですが、気づいたらお風呂掃除、トイレ掃除、洗濯、食器洗いができるようになりました」と言いますが、詳しく聞いてみると、「お風呂掃除はしていますが、主に洗うのは浴槽くらい」(安達さん)と、その実力はかなり怪しげ……。そんな安達さんにプロの技を教えてくれるのは家事代行サービス「CaSy(カジー)」の隈河(くまかわ)綾子さん。さっそく、安達さんのご自宅のお風呂を拝見させていただきました。

汚れの種類によって2つの洗剤を使い分ける

お風呂といえば、湿気が多くカビがはえやすいところ。安達さんのご自宅のお風呂も、カビによる汚れが目立ちます。

「まずは、黒カビを退治しましょう!」と、隈河さんが取り出したのはカビキラー(SCジョンソン社)。「シャンプー台の下、浴槽と床の隙間、浴槽の四すみ、水はけの悪い床、イスの裏側、イスのゴムパッキンなどは、とくにカビが生えやすいところなので、しっかりと噴射しましょう。カビキラーなどのカビ取り剤を使うときは、十分に換気してくださいね」。

カビキラーを使うのは浴室が乾いているときがベストだけれど、濡れていても大丈夫だそうです。言われたとおりに黒カビに向かってスプレーする安達さんもなんだか楽しそう。

「シュッシュとするのが楽しくなってきた! うわー、こんなにカビがあったんですね!」約15分間放置したあとは、シャワーでさっと流したらすっきり! しかし、まだまだ目立たない汚れがたっぷりと浴室にはりついています。

「次にやるべきことは、ピンク色の汚れ。通常、赤かびといわれますが、これは酵母です。ただ、このまま放置しておくといずれ黒カビになってしまうので、今のうちにきれいに落としましょう。ピンクの汚れの原因は、人間の皮脂や石鹸カスなど。この場合は、バスマジックリン(花王)などの浴室用洗剤がおすすめです」(隈河さん)。黒カビがカビキラーで、ピンクの汚れがバスマジックリンと覚えると、すごくわかりやすいですね!

浴室掃除。見落としがちな3つのポイントとは?

しっかり掃除をしているつもりでも、意外と忘れがちなのが排水溝。「排水溝は普段はフタがしてあり目立ちませんが、それゆえにゴミがたまりやすいところ。放置するとぬめりがでてきてカビが発生し、いや~なニオイの元になりますよ」(隈河さん)。

浴槽の循環アダプターも、フタを外したら中から絡まった髪の毛の束が見つかりました。これには、安達さんも苦笑い。「せっかくきれいなお湯を入れても、お湯の出口が汚れていたら意味ないですね」(安達さん)

イスの滑り止めとして使われているゴムパッキンや、シャンプーボトルの裏側にも要注意。「毎日使うもの以外は、脱衣所の収納棚に入れておきましょう。それによってカビも防げるし、シャンプー台の掃除もしやすくなります」(隈河さん)

カビ・ヌメリを防ぐ1日10分の簡単お掃除テクニック

毎日の浴室の掃除は、1~6までのステップで行えば掃除もラクラクです。

ステップ1 お風呂のお湯を抜く。お湯を抜いているうちにステップ2に進む。
ステップ2 壁、浴槽の外側、床などに浴室用洗剤を噴射して、スポンジでこすり洗い。
ステップ3 イスに座ったまま、シャワーで泡を流す。床は四すみから排水溝に向けてシャワーを流す。
ステップ4 浴槽のお湯を抜き終わったら内側を洗う
ステップ5 排水溝にセットしておいた使い捨てネットを替える
ステップ6 イスに浴室用洗剤を噴射しカビ防止

きれいなお風呂場を長持ちさせる㊙テクニックとは

ポイントは、イスに座ったままシャワーをかけることだそうです。「ちょうどシャンプーなどの泡が飛び散る高さです。あまり高いところまでシャワーをかけてしまうと、水滴が残ってカビが発生しやすくなります」(隈河さん)。

さらに、涼風設定がある場合は、換気扇のかわりに1時間くらい回しておくと、湿気がとれて乾燥するためカビが発生しにくくなります。黒カビや皮脂汚れなどが落ちてスッキリした浴槽は、毎日の掃除も簡単。
「汚れない仕組みを作ることで、毎日の掃除がラクになりますよ」(隈河さん)
あとは1週間に一度のペースで、排水溝の中や浴槽の循環アダプターの掃除を行いましょう。

男性にもわかりやすく掃除のコツを伝えるためには?

最後に、パートナーの男性にお願いするときの上手な伝え方を教えてもらいました。

「男性にお願いするときのポイントは二つ。
一つ目は、具体的に伝えること。慣れていない男性の場合、風呂掃除というと浴槽のみをイメージする人もたくさんいます。そんなときは、今日は浴槽と床を洗ってね、と具体的に伝えましょう。徐々に洗う場所を増やしていけば、希望通りきれいに掃除ができるようになりますよ。

二つ目は、時間、目標、原因とその対処法を伝えること。カビはカビキラー、皮脂汚れはバスマジックリン、時間は10分など、具体的に伝えたほうがわかりやすくなります」(隈河さん)

これには安達さんも「時間や具体的な対処法がわかると行動に移しやすいですね。これから毎日がんばります!」と心強い言葉。きれいに掃除されたお風呂に入ったら、1日の疲れも取れそうですね!

※次回「キッチン掃除」編に続く

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明治大学サービス創新研究所客員研究員。ミリオネアとの偶然の出会いをキッカケに、お金と時間、行動について真剣に考え直すことに。オンライン学習講座Schooにて『文章アレルギーのあなたに贈るライティングテクニック』講座を開講中。