大学生(22)

モデルは辞めました。いつか海外に行って、視野を広げたいです。

大学生(22) 熊本県出身。福岡大学商学部第二部4年、福岡市内でひとり暮らし

雑誌のモデルをしていましたが、芸能界には興味がないので卒業しました

 えっ、モデルっぽいですか? 実は中1から高1まで「ピチレモン」という雑誌のモデルをしていました。読者モデルオーディションでグランプリを受賞して、専属モデルになりました。

 モデルに応募したのは、華やかな世界に憧れていたとかではなくて、ファッションが好きだったのと、自分に自信を持ちたかったから。私、小学生のときから背が高くて、猫背になりがちで…。親から「もっと自信を持ちなさい」と言われてました。軽い気持ちで出したら受かって、すごく驚きました。

 モデル事務所に所属して、毎月、熊本から東京へ撮影に行ってました。平日にひとりで飛行機に乗り、電車を乗り継いで、ホテルに泊まって。学校の勉強と両立するのは大変だったけど、ファッションや美容に詳しくなったし、挨拶の大切さとか社会を学ぶこともできて、いい経験でした。

 ファンレターも数えきれないくらいたくさんもらいました。同年代や少し下の女の子に悩みを相談されたりして、お返事も書きました。

 専属モデルを卒業したのは高1のとき。卒業後も「売り出したい!」といってくれる人が多かったけど、私はもともと芸能界に興味があったわけではなくて。モデル活動はやめて、地元の高校で服飾を学びました。

朝から夕方までアルバイトをして、夜は大学に通ってます

 今は、福岡大学の商学部に通っています。第二部といって、夜間コース。朝6時に起きて、週5日は8時半から16時半までアパレルショップでアルバイトをしています。18時から大学の授業が始まります。
親が仕送りをしてくれるわけではないので自分で学費を稼いでいるけれど、夜間なら授業が半額くらい。熊本を出て、福岡で暮らしてみたかったし、ファッションを仕事にどう生かすかを知るために、経営や商売を学びたいとも思いました。同じ年の現役生はもちろん、社会人や40代50代の方まで、幅広い人が集まっています。

 今はバイトをかけもちして、ほとんど休めないけど、接客が好きなので苦になりません。日常のリラックスタイムは、家でお笑い番組を見るときかな。お笑いが好きで、友達から「うるさい」って言われるくらい、すぐに声を出して笑っちゃうんです。

いったん熊本に帰るけど、いつか海外に出て視野を広げたい

 大学を卒業したら外国へ行きたくて、大学3年から貯金を始めました。ラジオで英会話を勉強して、月1回は通訳の方に教えてもらっています。でも、つい最近になって、卒業後はひとまず熊本に帰って、親の会社を手伝うことに決めました。うちの父は自営で、新しい事業をいろいろ手がけてきました。今は中国の都市開発に関わっていて、初期投資が必要なので、私が貯めていた留学費用を回すことにしたんです。

 もったいない、とは思いません。父の背中を見て育ち、私もいつか経営者になりたいと思っているから。新しいことにチャレンジをたくさんしている父を、やっぱり尊敬してます。手伝いながら、勉強するつもりです。

 父が中国で仕事相手と会食するとき、同行したことがあります。父は通訳を通して相手と話していました。でも、人を介することで微妙なニュアンスが変わってしまうこともあるんじゃないかなって。私は英語を話せるようになりたいと強く思った。だから父の会社で働きながら、またお金を貯めて、いつかワーホリで外国に行きたい。海外に出て語学を学びながら、視野を広げたいです。

 モデルにはなったけれど、結局は今でもあまり自信がなくて、いつも物事を客観的に見ている自分がいます。自信をもてるようになるのは……私が経営者として、仕事をするときかな。

福岡市・住吉にて

福岡市出身。九州大学を卒業後、ロンドン・東京・福岡にて、女性誌や新聞、WEB、報告書等の制作に携わる。特にインタビューが好きで、著名人や経営者など1,500人以上を取材。
街頭インタビュー