家飲みワインに合うおかずレシピ~肉料理編 3品
気軽で生活に密着したワインを

レシピを監修してくれた大木忍さんは甲府市出身。東京の食品メーカーを経て、カフェのプランナーに。飲食店立ち上げのための全体のプランニングやアドバイス、メニュー・レシピ開発といったトータルコーディネートをしています。最初にメニュー提案したのは、裏原宿のカフェ。その後、JR京都駅の駅ビル内の100席規模のカフェや新宿の京王百貨店内のカフェ、最近では宮崎県都城市で百貨店が撤退した跡のビルをリノベーションした図書館に併設されたカフェの立ち上げに協力しました。高校の同級生だった夫の貴之さんと1999年に故郷・甲府にUターンし、2000年に「フォーハーツカフェ」をオープン。山梨のワインと地元野菜を使った店で、県内のワイナリーの醸造家やワインを愛する人たちが集う場となっています。
忍さんがおすすめする家飲みワインに合う肉料理レシピ、1つめはこちらです。料理に使うジャムを選ぶときのヒントも教えてくれました。
鶏肉のジャムの漬け焼き

海外では七面鳥を焼いて食べる際、フルーツソースを使います。例えばクランベリーなどです。フルーツソースは日本人になじみがあまりないかもしれませんが、今回は手作りのリンゴジャムを材料にして作ってみました。どのご家庭にも、眠っているジャムがありますよね。レシピは、マーマレードジャムでもブドウジャムでも置き換えられます。
調理のポイントは、ジャムが焦げやすいので、弱火で鶏肉の中まで火が通るようにすることです。付け合わせの野菜は、冷蔵庫にある野菜を焼けばいいので気取らずに。
少し甘みのあるフルーツのソースにはマスカットベリーAがおすすめです。
材料 2人前
鶏もも肉:2枚(1枚約150g)
ジャム:大さじ1と1/2(漬け込み用)、大さじ2(ソース用)
季節の野菜:適量
塩:少々
コショウ:少々
オリーブオイル:大さじ1(漬け込み用)、大さじ1+1(焼き用)
バター10g
白ワイン:大さじ1
レシピ
①肉厚なところは開いて薄くする。皮の方から包丁で数カ所刺す。味がしみこみやすく早く焼ける。
②ポリ袋に①の鶏肉、ジャム、オリーブオイル、塩、コショウを入れ、よくもみ込み、30分以上寝かせる。
③フライパンにオリーブオイルを大さじ1入れ、付け合わせの野菜を炒め、塩、コショウをし、皿にとる。
④同じフライパンに残りのオリーブオイル大さじ1を入れ、②の鶏肉を火が通るまでふたをして両面を焼く。ジャムが焦げやすいので注意しながら焼く。焼けたら野菜が盛られた皿にとる。
⑤フライパンに白ワイン、バター、ジャムを入れ、煮詰めてソースをつくり、④にかける。
※ジャムは冷蔵庫に残っているものでOK。マーマレードやリンゴ、すぐり、アプリコットをなどを使ってください。

2つめがこちら。おなかをすかせた男性でも大満足の1品です。
もつのトマト煮込み

イタリア料理の食材「トリッパ」をご存じでしょうか。
ここで使う内臓は、日本で手に入りやすい豚のもつです。
調理のポイントは、野菜をじっくり炒めて、うまみを出すこと。煮る際は、もつが硬くならないように弱火で時間をかけること。
このおかずに合わせるなら「軽めの赤かロゼ」など。
「フレッシュな果実味のある赤」をおすすめします。トマトの酸味とぴったりです。
どうしても白ワインが飲みたいという人には、もつに負けない「少し重めの白ワイン」を選びましょう。
材料 2~4人前
豚もつ:300g
タマネギ:1個
ニンジン:100g
セロリ:100g
ニンニク:1/2個
トマト水煮缶:1缶
ローリエ:1枚
塩:適量
コショウ:適量
オリーブオイル:大さじ3
バケットトースト:適量
レシピ
①野菜はすべて5ミリ程度の角切りにし、豚もつと一緒にオリーブオイルでじっくり弱火で炒める。(ふたをして野菜のうまみを出す)
②トマトの水煮缶を入れ、100ccの水で缶をゆすぎ入れる。ローリエを加え、1時間以上煮込む。
③塩、コショウで味付けをする。バケットを添える。辛いのがお好みの方は唐辛子やペッパーソースを入れても楽しめます。(ワインと楽しむ場合は控えめに)
3つめのレシピは柑橘類を上手に使った1品です。
鶏肉のレモン焼き

レモン、ゆず、かぼす、すだち、ポンカン……かんきつ類なら何でもOKです。地元で採れたものと地元のワインなら最高です。
ソースにバターを入れてもおいしいです。
バターをソースに入れたのなら、「重めの白ワイン」、バターを入れないのならスッキリした「白ワイン」がおすすめです。
材料 2人前
鶏もも肉:150g×2枚
レモン:1/2個で(厚めの輪切り)
ディルなどお好みのハーブ:適量
塩:少々
オリーブオイル:大さじ1(漬け込み用)、大さじ1+1(焼き用)
ワイン:大さじ2
季節の野菜:適量
レシピ
①肉厚なところは開いて薄くする。皮の方から包丁の先で数カ所、刺す。味がしみ込みやすく、早く焼ける。
②ポリ袋に①とレモン、ハーブ、塩、オリーブオイルを入れてよくもむ。30分以上冷蔵庫に置いておくとさらにおいしくなる。
③その間に冷蔵庫にあるレンコン、長ネギ、ニンジン、大根などの季節の野菜を、フライパンでオリーブオイル大さじ1を入れて焼く。焼き終わったら皿に取り、塩をふる。
④②をオリーブオイル大さじ1でソテーし、ふたをする。裏返し、ワインを入れる。軽い蒸し焼きのようにして早く火が通るようにする。パリパリの皮がお好みの人はワインをいれずに。肉を皿に取り出したら焼き汁も肉にかけ、ソースにする。

最後に、テーブルにあるとうれしい1品、ピクルスを。作り置きできるので、日々忙しいミレニアル女性たちも大助かりです。
自家製ピクルス

おまけに万能レシピともいえる自家製ピクルスを紹介しましょう。
「忙しいから家で料理はちょっと」と思う人には、作り置きできるので便利です。家に帰って着替えてからテレビを見ながらワインを飲む――。こういう人、一人暮らし、共働き夫婦にはちょうどいい簡単レシピです。「食事を食べたいというほどではないけど、口が寂しい」と思うとき、ありますよね。
ワインに合うピクルスにするにはポイントがあります。
あまり酸味や辛みを強くしすぎないことです。強すぎるとワインの味を舌が分からなくなってしまうからです。
野菜は、家にあるもの、手に入るものでOK。
ピクルスだけでもワインに合うし、ピクルスを食材として料理に使うこともできます。細かく刻んでオリーブオイルと混ぜて、鶏肉料理のソースとしてかけてもおいしいです。
「ふだん飲みは、値段が安い白ワイン」というイメージがありますが、これに合わせるなら軽めの赤ワインかロゼワインもいいそうです。
材料
野菜:大根、ニンジン、タマネギ、きゅうり、セロリ、キャベツ、みょうがなど
酢:200cc
水:200cc
砂糖:大さじ2
塩:大さじ1
ローリエ:1枚
ピックリングスパイス:小さじ1(マスタードシード、オールスパイス、グローブ、ディルシード、オレガノ、コリアンダーなどお好みのハーブやスパイスを混ぜれば代用可)
レシピ
①野菜を長さ4センチで1センチ角の拍子木切りにする。野菜の量は、直径20cm強のボウル1杯分ぐらい。
②切った野菜を保存容器に詰める。
③野菜以外をなべに入れて温める。沸騰したらすぐ火から下ろす。
④③が冷めないうちに、②へすべて注ぎ、一晩寝かせる。

ワインに合うおかずレシピ
・シーフード料理編はこちらから(https://telling.asahi.com/article/13237445)

※次はレシピを作成してくれた大木忍さん夫婦のSTORYをお伝えします。

