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憧れバトン

ベッド・イン中尊寺まい「女子校ではバブル期の石田純一さんぐらいモテてました」

文:田中春香 写真:坂脇卓也
2019/09/09
憧れバトン
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誰しも今までの人生で「憧れの人」や「嫉妬する相手」がいるのではないでしょうか。 「他人と比べないこと」をよしとする風潮の中で、それでも自分の中にある「羨ましい」「あの人みたいになれたら」という気持ち。その声に耳を傾けることで、次に頑張るべき課題や目標が見えてくるかもしれません。 第1回の今回は、地下セクシーアイドル、ベッド・インのギター中尊寺まいさん。人気者のギター少女だった女子校時代の話から、ベッド・イン結成までを伺った前編です。

●憧れバトン01-1

著名人や話題の人が「憧れの人」として名前を挙げた方にインタビューを依頼し、「憧れバトン」を受けた今の気持ちだけでなく、ご自身の思いやバックグラウンドについて語っていただきます。さらに「その人が憧れた人」へとバトンを渡すリレー形式で、さまざまなジャンルの方々を数珠つなぎしていきます。
地下セクシーアイドル、ベッド・インの中尊寺まいさんは、telling,編集部田中の同級生。

彼女は当時から人気者で、嫉妬と憧れの入り交じる存在でした。
1000人以上在籍していた東京の女子校で、面白いのにギターも上手い「スター」だった“マイちゃん”は、10年後、メジャーデビュー。ZeppTokyo.を満員にするプロのアーティスト“ベッド・インのちゃんまい”になります。

「マイちゃんと仲良くしてた、してない」でクラスメイトがケンカ

――中高一貫の女子校で、6年間、まいさんはずっと「スター」でした。みんなが憧れていたし、その姿に嫉妬することもありました。

中尊寺まい(以下、まい): そう!?そうかなぁ……自覚は全くないけど、そう言ってもらって改めて思い返してみると、あの頃が一番の「モテ期」だったのかもしれないです。女子校ならではのバレンタインの手作りお菓子の交換も、私は一回も作ったことはなくてもらってばっかり。
自分と話しをしていた子が後から別の子に「さっきマイちゃんと仲良く話してたでしょ!」と言われてケンカになっているのを見たこともありました……(笑)。
でも、そういうのをめんどくさいと感じたりもしなかったですね。
「宿題、今日提出だよ!」なんて、みんなが世話を焼いてくれて、私もありがたく甘えていました。自分を好きだと言ってくれる友だちには優しくしたいし、みんなを楽しませたかったと思っていた節もあったのかもしれません。
今思えば、石田純一さんのようなトレンディ―ドラマのモテ男状態でしたよ、まったくC調(※)DA・YO・NE~♡(笑)。

※調子の良い人のことを指すバブル用語

――子どもの頃からそうだったんですか?

まい: 小学校の頃は全くそんなことはなくて。関西からの転校生でいじめられっ子だったし、何よりそういう自分へのコンプレックスや世の中との距離を感じる方が強かったです。みんなに馴染みたくて「いい子ちゃん」を演じたり、周りに合わせることも多かったけど、それが見透かされてかえって反感を買って……。
中学受験の際に学校見学会で軽音学部のパフォーマンスを見て惚れ込んだ学校へ進学し、自分のやりたいことができる環境に恵まれてから、変わっていった気がします。

好きなことをして自信がついてからは、自分と他人を比べなくなった

――いじめられていた頃と人気者になった後では何が一番違いましたか?

まい: 女子校の環境がすごく合っていたんだろうなと思います。好きな服を着て、好きなものについて誰の目も気にせず喋れるようになってから、ぐっと仲間が増えました。
バンドの朝練の為に早く学校に来て速攻“早弁”、授業中は居眠りしてノートもロクにとらず、放課後になるとまたギターを背負って部室に消えていく……。
そういう「好きなことにだけ一生懸命!」みたいなところがまわりの女子たちをハートカクテル状態(※)にしていたのかもしれないです…♡

※心をくすぐりキュンキュンさせること

――まさにマンガの主人公みたいな女の子という感じですよね

まい: 細くて可愛いギャルの友だちや個性的な子もたくさんいたけど、ギターという自分の「軸」ができてからは、そういう他人と自分を比べて悲観したりしなくなりました。
その頃は深夜ラジオなんかも好きないわゆるサブカル女子だったので「みんなは知らない“良いモノ”を私は知っている」という感覚を自分の中に少しずつ積み上げていくことで、自信に変えていった部分もあります。
自分の趣味とか没頭できること、自分の世界を大切にできるようになってから、見える景色がガラっと変わりましたね。

一夜限りのユニット結成が、女性バンドマンとしてのコンプレックスへの転機に

――そんな風に学生時代、情熱を注ぎ込んでいた音楽を、実際に仕事にしようと思いはじめたのはいつ頃からですか?

まい: 明確に「このとき!」っていうのは実はなくって。大学を出て一度は就職もしてるんです。「バンド活動はやめたくないけどプロになるほどギターも弾けないし」という現実的な考えが学生の時点でもうあって、ギターはそのまま趣味でやっていければいいと思っていました。
「夢だけで食べていく自信がないから」というよりは、「好きな音楽を続けていくためにはどうしたらいいか?」を考え、定時に帰れる仕事に就きました。
でも、さすがに全く興味のないことを続けるのって、しんどくて(笑)数年で退職、のらくらしていた時にベッド・インをはじめました。
お互い別々のバンドで活動していた(益子寺)かおりさんと「バブル顔って言われない?」と意気投合。一夜限りの企画バンドのつもりで、オリジナル曲もないままにバブル時代の楽曲をカバーしてライブハウスに出たら、予想以上に反響が大きかったんです。

ベッド・インをはじめるまでは結構ハードコアなバンドをやっていた時期もあるんですよ。
ただ、当時は今でこそ最大の武器だと思えているこのパイオツもずっとコンプレックスで。胸が目立たないような服装でステージに立っていたこともありました。

――現在は「パイオツカイデー(おっぱいが大きい)担当」というあっけらかんとした自己紹介がウリですが、かつてはコンプレックスだったんですか?

まい: はい。今回のテーマは「嫉妬」「憧れ」ですが、私、「特定の誰かになりたい」みたいなことはあまり意識したことはなくって。ただあえて言うなら男の人になりたいと、ずっと思っていました。

*** (後編につづく)
自分たちの身体を惜しみなく魅せるボディコンファッションがトレードマークの、ベッド・インの「パイオツカイデー」担当“ちゃんまい”。いかにして今のキャラクターで多くのファンを魅了するようになったのか。後編では自身のコンプレックスについてと、「憧れる」という感情との向き合い方について話を伺いました。

後編はこちら:ベッド・イン中尊寺まい「憧れている人との「差」こそ自分のオリジナルになる」

●ベッド・イン 中尊寺まいさんのプロフィール
流行便乗の坊ちゃん嬢ちゃんに待った!をかけるセクシーアイドル”こと『ベッド・イン』のパイオツカイデ~担当でありギター担当。80年代末期〜90年代初期までのバブル期を彷彿とさせるワンレンボディコンスタイルであられもないパフォーマンスを繰り広げながら、激しく硬派なギタープレイを披露。

●ベッド・イン TOUR2019「男女6人秋物語」
9/14(土)神田明神ホール

●ベッド・イン2マンシリーズ 2019「炎のねるとん4本勝負~東名阪の巻~」
10/13(日) 東京 赤羽ReNY alpha
11/6(水) 大阪 umeda TRAD
11/7(木) 名古屋 SPADE BOX
11/11(月) 東京 高円寺HIGH

Twitterアカウント:https://twitter.com/bed_in1919

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田中 春香 ( たなか・ はるか)
現在肩書き無し。30歳の夏、港区での彼氏との同棲を解消、同時に8年マネージャーとして勤務した芸能事務所を退社する。ライター業ではお笑いやサブカルチャーに関するコラムをwebサイトに寄稿など。
坂脇 卓也 ( さかわき・ たくや)
フォトグラファー。北海道中標津出身。自身の作品を制作しながら映画スチール、雑誌、書籍、ブランドルックブック、オウンドメディア、広告など幅広く活動中。
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