PeLuLu×telling,

女の友情

年齢を重ねると、気を遣わずに、長時間一緒にいることができる。自然体のままでいられる女友だちって、とても貴重な存在。夏の最後、文筆家、甲斐みのりさんが女の友情と日常を綴りました。

●PeLuLu×telling,名品図鑑

 先月も会って、今月も会う。東京と京都、別々の場所で暮らしていても、定期的に会うことができるし、「またね」と手を振って別れられる友だちがいることは、とても貴重でありがたい。大人になると、互いに生活や仕事が忙しく、都合を合わせづらくなるものだから。

 京都には、よく一緒に旅をしたり、興味がおもむく場所へともに出かけられる友だちがいる。私が年に幾度か、仕事で関西に出向くことがあるので、仕事の前後にともに過ごす。京都を“ホーム”だと感じられるのも、その友だちのおかげ。顔を合わせた途端、あれもこれもと、話したいことがあふれ出す。
 30歳過ぎてできた友だちは、一緒にいてとても楽だ。自分はどんなふうに人と付き合うのが向いているか、ある程度分かっているから、付き合いに面倒も無駄もない。

 京都で仕事を終えた翌日、お昼前に連絡を取り合い、“いつもの本屋”「誠光社」で待ち合わせ。そこから東山五条に向かい、ずっと行ってみたかった、昔ながらの焼きそば専門店でお昼ごはんを食べるのに付き合ってもらった。

 職業柄、より多くのお店に入り、飲んだり食べたり、旅先では常にお腹が膨れている。そんなとき、同行者がいると、もう一品別のものが注文できたり、量が多かったら分け合ったりと、助けられる。この日も、ちょっと個性的だと噂に聞いていた店だったから、友だちがいてくれて緊張がほぐれた。お昼を食べたあとは、もう1人奈良から駆けつけてくれた友だちとも合流し、東山地区を歩いて巡った。

 綿菓子専門店「JEREMY & JEMIMAH」の綿菓子は、大人の顔より大きくて、3人で分け合ってやっと完食。途中でお茶をしたり、神社に立ち寄ったり、気ままに店に入ってみたり。半分、修学旅行生気分で、心が浮き立つ。

 夕方には、さらに2人(お母さんと、赤ちゃん)合流して、友人・知人が出店をしている、左京区のおまつりへ。あちらではライブ、こちらでは太鼓踊り、そこらじゅうの出店をのぞき込んだり。ああ、楽しい。夏の最後の、大切な思い出。

 「次は秋にね~!」と手を振って、京都駅行きのバスに乗った。

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